ギャンブルに必勝法はあるか

必勝法とは何だろう

このホームページには必勝法を求めて来る方も多いと思いますが,残念ながら,このような方には,このサイトはあまり役には立たないでしょう.
ここではそもそもギャンブルに必勝法とは何であり,存在するかどうかについて考えてみましょう.これは,このサイトの情報を理解するための多くの概念に触れる良い機会になります.

必勝法が何であるかは,1.賭けの分類や,2.賭けの分類-再考で考えた「運」や「偶然」に対する「技術」の比率によって,考える問題が異なってきます.

まず理論的には完全に「運に左右されないゲーム」である将棋・囲碁・チェス・オセロについて考えてみます.これはギャンブルというよりはむしろ,このような「ゲーム」に必勝法が存在するかどうかの問題と考えられます.このようなゲーム(ゲーム理論の用語で言えば,有限完全情報ゲーム)は,先手が勝つか引き分けるか,または後手が勝つか引き分けるか,という必勝法が理論的には存在します.理論的には存在していても,現実にはすべての場合の数を尽くすことが難しく,現在,それを計算することができません.

これに対し,少しでも「運」に依存するもの-麻雀・パチンコ・競馬・ポーカー・ルーレット-に対しては,当然ながら100パーセント勝つ方法は存在しません.そこで,このようなゲーム・ギャンブルに関する必勝法とは「賭けた金額より獲得できる金額の期待値が大きくなる方法」と考えることができるでしょう.それでは,このような定義におけるギャンブルの必勝法は存在するのでしょうか.

このホームページではこのことを徐々に考えてゆくことになります.多くの議論を必要とするため,すぐにここで答えを与えることはできません.しかし,皆さんに考えていただきたいのは「もし必勝法があるとして,ギャンブルの参加者全員がそれを知って実行したときにどうなるか」ということです.

公表されるような(理論化されるような)必勝法はない

例えば,競馬でほぼ確実に勝ち馬を推測する方法があったとしましょう.もし全員がその方法を知って勝ち馬を予測すれば,オッズ(賭けの倍率)は1倍まで下がってしまいます.もちろん,競馬を当てるという意味ではこうなっても「必勝法」かもしれませんが,儲かると言う意味では,もはや「必勝法」ではありません.麻雀も,もし必勝法があるとしたならば,全員がそれを実行したならば,配牌の違いだけに依存するために,全員の期待値は同じとなるはずで,「必勝法」ではなくなります.

注目したいのは,Edward Thorpと呼ばれる,有名な数学者の例です.彼は数学者であり,現代で言う金融工学の研究者であり,なおかつギャンブルの天才でした.彼は,ブラックジャックに勝つ方法として「カウンティング」という方法を研究し,遂に必勝法(期待値が正になる賭け方)を探し出しました.が,カジノ側はこれに対抗してブラックジャックのルールを変更してしまったそうです.(谷岡一郎「ツキの法則」から引用.E.Thorpのカウンティング法についてはE.Thorp自身の著書「Beat The Dealer」を参考にして下さい.)

言いたいことは,ギャンブルの必勝法は,その人一人が知っているときは必勝法となりえるが,その方法が公の場で公表されれば,それは「必勝法」ではなくなるだろう,ということです.その理由から,このようなインターネットサイトで公開されたり,本で出版されたり,「科学」の名のもとに公表され検証されたりするようなギャンブルの必勝法はないということです.私の母は,よく「ギャンブルに必勝法はないよ.そんないい方法があったら,人に言わないで,自分でこっそり実行しているよ.」と言っていました.この言葉はギャンブルの必勝法をよく表しています.

では公の場で公表されない必勝法というのは,どうでしょうか.これについては,いずれ考察しますが,注意すべきことは,このような事を語って,人を騙したり詐欺に陥ったりする例は後を絶たないということです.皆さんもくれぐれもご注意を.