(94-5-3)
title: そんなバカな!
author: 竹内久美子
from: 文春文庫 450 円
reviewer: 渡辺 治(watanabe@cs.titech.ac.jp)

動物の遺伝子には利己的な性質が備わっている.ただし,利 己的というのは,その遺伝子だけを子々孫々,増やしていく, という性質.そんな仮説をもとに,動物の行動や,そして人間 の行動までも分析してみたのが本書である.

確かに著者の考え(正確にはこの学説というべきか?)には 一理ある.とくに動物の様々な行動は,利己的遺伝子を考える となるほどうまく説明がつく.それが,「嫁と姑がなぜいがみ あうか」まで話しが進むと,ちょっと眉唾,という気がする. しかし気楽に読むにはおもしろい本だ.ただし,そこまでが限 度.同じ著者の本「男と女の進化論」でも,同じような議論が 繰り返えされていたが,もう一冊で十分と思った.この点,本 当にすぐれた理論であれば,同じような内容の本を数冊読んだ からといって飽きはしないのだが...