トマス・モアの「ユートピア」は有名ですが、この「太陽の都」 もユートピアを描こうとして書かれた本です。著者のカンパネッ ラはルネサンス期のイタリア人ですから、その頃の一知識人の考 えたユートピアです。従って現在の世界に直接通じるものではあ りませんが、それでも、学ぶべき点は多くあると思います。統治 方法や教育を重視している点、労働のこと外交のこと等々。ただ し、著者が占星術に凝っていたので、それを基にした考え方には 少々うんざりさせられるところもありますが... 個人の資質を重視しているかと思えば、個人的な生活は否定さ れていたりで、何とも不思議な都市を考え出したと思います。産 業や、人々の生活の様式等、占星術も含めて、著者が生きていた 時代の知識や考え方に束縛されてはいるものの、描かれている 「太陽の都」はこの時どこにも存在していなかったまさしく平和 なユートピア(理想郷)です。現実に直面してる問題の解決を考 えるだけではなく、こうした理想のあり方を考えることも出来る だけの人間になりたいなあ、と思わされた本でした。 最後に一言。当時知られていた色々な国が例として直接、間接 に述べられている所は、その当時の知識の程が知れて面白いので すが、日本人は黒色を好むとあって、太陽の都の住人からは嫌わ れていたそうです(どこから得た知識なのでしょう...?)。
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