スーパーマーケットの店先で、赤黒くつやつや光るアメリカ 産のリンゴを目にするようになりましたし、つい先日は、カリ フォルニア産のブロッコリが日本産のものと同じ位の値段で売 られていました。日持ちしないこうした生鮮野菜までが空輸さ れているんですね。そうした現代の日本の食糧について、現在 どうなっているのはを明らかにして、たべものや食生活につい て考えていこうというのが本書です。 例えば、スーパーマーケットの裏側には「蘇生室」というの があって、死にかけた野菜に冷たい水と湿度を加えて、シャキ ッとした野菜によみがえらせているそうです。そう言えば、そ うした設備のなさそうな小さなスーパーマーケットに並んでい た遠方から来た(国内)ホウレン草は県内産のものと比べて 「私はくたびれています」と身をもって示していたのを思い出 します。 それから和菓子としてポピュラーな「大福」を考えると、皮 はタイから砂糖と混ぜて輸入されたモチ米の粉が原料であり、 あんこの小豆は中国産だそうです。そうなると何が「和」菓子 なのかと考えさせられてしまいます。 最近大問題になった米の輸入については、独立して一つの章 が割り当てられています。この時は「ガット合意」によって日 本による米の輸入自由化が国際貢献になると多くのマスコミが 口をそろえて言っていましたが、国際貢献どころか、先進国の 一方的な経済政策が世界を食糧危機に陥れることにもなりかね ないという、大変な問題であることが分かります。さらに、こ の合意によって輸入食糧や農産物の安全性検査について、国際 基準に「調和させる」ことが義務づけらています。この国際基 準を決めた委員会の構成メンバーには、各国政府の関係者ばか りではなく、ネッスル、コカコーラなどの食品大資本、デュポ ン、モンサントなど農業用化学工業資本も多数参加しており、 そうした多国籍巨大資本の意向を反映して決められている国際 基準であるということも問題だと指摘されています。 食による健康に注目が集まっている現在、この本をテキスト にして、より多くの人が(自分も含めて)たべものと食生活に ついて考える機会を持てたら良いと思います。
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