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title: 「在留特別許可
- アジア系外国人とのオーバーステイ国際結婚 -」
author: サーム・シャヘド、関口千恵
from: 明石書店 2、060円 1992年6月30日発行
reviewer: 金子一代

 本書は、「1988年7月にオーバーステイになったバングラデ シュ人が日本人女性と結婚し、 夫婦として当たり前の生活を 手に入れるために、法務省入国管理局が求める退去強制を拒否 し、1989年12月に法務大臣採決による在留特別許可(SPECIAL PERMISSION FOR RESIDENCE)取得に成功して正規の在留資格を 再び手に入れるまでの闘いをまとめた当事者自身による記録」 である。そして「在留特別許可」とは、「在留資格のない(失 った)配偶者が退去強制されずにすむ(在留資格を再び得られ る)唯一の手段」で、「違反調査・違反審査・口頭審理という 過程を通じ外国人配偶者が退去強制に意義の申し出を出し続け ると最終的に法務大臣採決」に至り、その採決の「一つ」とし て得られる。ただし結果を見るまでには最低でも1年から1年半 はかかる上、取得できる可能性は「きわめて」限られる。

 在日外国人問題には、よほど身近に「外国人」が生活してい ない限り、リアリティはないだろう。けれど、身近に「外国人」 が生活する環境になるには、2年ほど前に、外国人登録証を保持 する外国人が人口の1%を超えたといって、ニュースになってい るようでは先行き長いに違いない。日本にある「外国人」が増 えないためのさまざまな仕組みにより外国人は増えず、そのた め一般の人々にリアリティが生じず、従って問題も表面化せず、 悪循環を繰り返している。

 その仕組みの主たるものが、法務省入国管理局(入管)の行 う「入管法(入国管理及び難民認定法)は憲法の上にある?」 という振る舞いである。本書の例では「憲法」で保証されてい る「婚姻」の自由・権利が、入管によって、オーバーステイし た外国人配偶者の「退去強制」という形で剥奪されかけ、それ に筆者たちが立ち向かっていった過程が描かれている。

 米国でもビザ発給までの審査は厳しいが、「婚姻」関係が正 当であると認められれば外国人配偶者に永住権が発給される。 一方、日本における「配偶者」ビザの有効期限は「最長」3年で、 本書の筆者たちに発給されたものは1年であった。さらに、日本 のビザは取得しても海外に出るときには「再入国許可」が必要 で、あらかじめとっておかないと同じ資格で再び日本に戻るこ とができない。

 本書は、貸してくれた友人の話ではすでに印刷されていない らしく、入手は難しいかもしれないが、もし目にしたら読んで みてほしい。また時間があれば「外国人」に付き添って大手町 の「入管」に出向いてみてほしい。日本の世界への窓口が、い かなるものかがわかるはずである。