ゲーム理論とは?

ゲーム理論:ざっくりとした説明

企業も国や自治体も,そして私達自身も,毎日,誰かとと競争したり協力したりしています.例えば「商品の価格を値下げするか,現状維持するか?」「新しいプロジェクトを相手企業と共同で行うか?単独で行い相手と競争するか?」「もう少し自分に利益を配分してもらうように交渉するか?」「自国領土に侵略してきた敵国に対し,警告で済ませるか,攻撃を仕掛けるか?」など,です.

ゲーム理論は「プレイヤーの意思決定の相互作用を研究する学問」と呼ばれます.
上に挙げたような問題を,企業や国や個人を「プレイヤー」と考え,その「プレイヤー」が将棋やポーカーのような「ゲーム」をしていると考えて,数学を使って分析しようとする学問です.

「ゲームと考える」とは,どういうことでしょうか?例えば,将棋の場合は,プレイヤーは「王を右に動かすか,歩を前にすすめるか」のような選択に迫られます.ポーカーでは「賭けをするか,降りるか」「どのカードを捨てるか」などの選択に迫られます.これに対して上記で挙げた問題も,「値下げ」か「現状維持」か,「警告」か「攻撃」か…などの選択に迫られています.

これらの選択肢をゲーム理論では「戦略」と呼びます.そして,すべてのプレイヤーが選択を行うと,プレイヤーの損得が決まります.これをゲーム理論では「利得」と呼びます.損得は価格競争の場合は金額のような数値になりますし,勝ち負けが決まるときは,勝ちを+1,負けを-1と考えれば良いでしょう.

このように考えると,価格競争でも,プロジェクトの共同開発でも,交渉も,領土紛争も,将棋も,ポーカーも,プレイヤー(個人,企業,国)がいて,戦略(どのコマをどう動かすか,値下げか現状維持か..)を選択し,その結果として利得が決まる,という点で共通しています.そこで数学を用いて,プレイヤーを1,2,3…と書き,戦略をa,b,c…と書き,利得をそれに対応させれば,世の中のありとあらゆる問題を同じ式で書くことができます.これがゲーム理論です.

 1944年に数学者フォン・ノイマンと経済学者モルゲンシュテルンは『ゲームの理論と経済行動』というタイトルの本を出版し,複数の主体が意思決定を行う理論的な枠組みを提示しました.これがゲーム理論の始まりであると考えられます.

比較的歴史が新しい「進化ゲーム」と呼ばれる分野では,プレイヤーは意思決定をするとは限らず「遺伝子に従って行動する生物」や「慣習に従って行動する人間」なども考えます.近年のゲーム理論は,意思決定する主体を考えるだけではなく「複数の主体の行動をゲームと捉えて分析する学問」と言って良いでしょう.